箱の基礎

段ボールの作り方(製造方法)

段ボールの作り方は大きく2つに分けられます。

①段ボールシートを製造する工程
②段ボールシートを使ってケースを製造する工程

今回はこの2つの工程について簡単に書いていきたいと思います。

①段ボールシートの作り方(製造方法)

そもそも、段ボールってどうやって作られているのでしょうか?

段ボールは基本的には3枚の段ボール原紙(ライナー)を
コルゲーター」という機械で貼り合わせてできています。

 

コルゲーター には複数の機械組み合わされており
原紙をセットしデーターを入力すると複数の工程を自動的に紙が通り、
ミリ単位で寸法カットをして
段ボールシートが出来上がります。

 

※表裏ライナーと中芯を貼る接着剤 は「コーンスターチ+水」で出来ている為、
環境や人体に悪影響がありません。 

段ボールの厚み

上記で書きましたように、
段ボールシートは波状に成型された紙(中芯)を表裏の紙(ライナー)で挟んで接着し作られています。

この中芯の波(フルート)の大きさにより主に7種類に分けられます。
多様なシートを作ることができ、内箱、外箱など幅広い用途に対応することが出来ます。

種類 厚み(mm) 外装 内装 個装
Wフルート 8
Aフルート 5
Cフルート 4
Bフルート 3
Eフルート 1.5
Fフルート 1.1
Gフルート 0.9

 

内容物の重量や美粧性、どこに運ぶかなど
様々な点を考慮し段ボールの厚みを選定していきます。

 

※ちなみに、段ボール原紙(ライナー)にも種類があるのですが、下記記事で紹介しております。

【参考記事】段ボールの材質について 段ボール原紙(ライナー)・中芯・厚み

②段ボールケースの作り方(製造方法)

コルゲーターで作られた段ボールシートを使い段ボールケースを作ります。

ダンボールケースには
A式 (上下
観音開き式・ミカン箱)
B
式 (身蓋一体式)
C
式 (身蓋別々)
などの基本形式があり、それぞれ製造する機械も違います。

 

また、ユーザー要望によりmm 単位 の加工可能です。

弊社で製造する段ボール箱には基本的に既製はなく、すべてがオーダー品となります。
受注生産方式納期通常A式ケースであれば中2~3日ユーザーに納品出来ます。 

 

段ボールケースの製造工程はほとんどが
【⒈印刷⇒⒉打ち抜き⇒⒊貼り加工(グルア―)】の順番で進行していきます。

⒈【 フレキソ印刷工程 】 (段ボールシートに印刷する) 

一般的に1~3色のフレキソ印刷可能で、樹脂で出来た印版をセットします。
インキは水性速乾の フレキソインキを使用します

無地の場合はこの工程が必要ありません。

また、段ボールにフルカラー印刷や箔押し印刷なども可能です。
それについては、下記記事で事例を交えながら詳しく説明しております。

【参考記事】ダンボールへの印刷はどんな方法がある?特徴とメリットを解説します

⒉【 打ち抜き工程】 (段ボールシートを木型で打ち抜く) 

⒈で印刷した段ボールシートをプレス機で打ち抜き加工(トムソン加工)をします。
その打ち抜き加工をするための「型」のことを紙業界では「木型」と表現します。

下記の写真が木型になります。

 

刃型、抜型と言った方がイメージしやすいかもしれませんね。地域によっては「ビク型」「トムソン型」と言ったりもします。

紙以外の分野では、同じものでも様々な言い方をしますが、紙業界に限ると「木型」という呼称が確立されています。

 

ちなみに、下記が抜き打ちされた状態の段ボール(ピザ用ケース)です。

【製作事例】オリジナル印刷ピザケース

 

※木型については下記記事をご参考ください

【参考記事】初期費用の木型とは?

⒊【貼り加工(グルアー) 】

最後は貼り工程でノリを付けて貼り付ける機械を使用します。

形状や数量によっては手作業で貼り加工を行うこともあります。

 

ちなみに、A式 (上下観音開き式・ミカン箱)の場合は、
スロッター (
切) と貼り加工(グルアー) 連結した
FFG(フレキソフォルダーグルアー)を使用することがほとんどです。

FFGは多くのダンボ ール製造企業が採用しています。
(※弊社も所有しています)

最後に

普段何気なく見ている段ボールにも、たくさんの厚みの種類があり、形状も様々です。
ぜひお手元近くにある時に見てみてほしいなぁと思います。

意外な発見もあって面白いと思いますよ( *´艸`)

次回は段ボールの材質について書いていこうと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。