箱の基礎

段ボールの材質について:段ボール原紙(ライナー)・中芯・厚み

今回は段ボールの材質について書いていきたいと思います。

段ボールの材質を構成する要素は大きく3つに分けられます。

それは
①段ボール原紙(ライナー)の強度
②中芯の強度
③段ボール自体の厚み
の3つになります。

これら3つによって段ボールの強度が決まることになります。

そもそも段ボールとはどういうものなのか?

そもそも段ボールとはどのようなものなのか、改めて確認したいと思います。

段ボールとは基本的には3枚の段ボール原紙(ライナー)を
コルゲーター」という機械で貼り合わせてできています。

一見すると1枚に見えるダンボールですが、
表ライナー・中芯・裏ライナー
と呼ばれる三層の原紙が組み合わさって出来ているのです。

3枚の紙でクッションの役割を果たしているんですね。

 

次に段ボール原紙(ライナー)の種類について見ていきましょう。

段ボール原紙(ライナー)の種類について

内容物の重量や美粧性、どこに運ぶかなど
様々な点を考慮し段ボール原紙(ライナー)を選定していきます。

一般的に横からの衝撃に強くしたいときに、ライナーの強度を上げることが多いです。

強度

ライナー

坪量g/㎡ 説明

強い

弱い

K7 280g/㎡ 輸出用や重量物によく使用される。
一般的に使用されないためロット(数量)が必要。
K6 210g/㎡

K5よりもさらに頑丈なライナー。
ケースの強度が必要な場合に使用する。
流通はC5 K5に比べて少ない。

K5 180g/㎡ バージンパルプ含有率約30%
 壊れやすいもの 頑丈な段ボールにしたいときに使用する
C5 160g/㎡ 古紙含有率 90%以上。
 一般的に多く使われている材質 発送用段ボールに多くみられる
C120 120g/㎡ コストが安い。
D4よりなめらかで質が良い。
D4 120g/㎡ コストに特化している。一般的には使われない。
ダンボールの中芯の材質と同等。

 

CライナーはKライナーに比べて古紙率が高く、
KライナーはCライナーに比べてバージンパルプが多く含まれています。

※バージンパルプとは、古紙などを再生したものではなく、
木材を材料として作られた新しい紙の事をいいます。

バージンパルプの含有率が高いほど
紙は頑丈になりますし、良い紙になります。

 

段ボールの良いところはリサイクルが出来るところにありますが、
何度もリサイクルを繰り返すとどうしても紙が弱くなってきてしまいます

ですので、強度が強いバージンパルプの多いKライナーが値段も高くなります。

カラーライナーについて

カラーライナーは、ダンボールの表面に使用される色付きのライナー材です。

茶色いクラフト紙とは異なり、様々な色や質感を選ぶことができ、
段ボールにデザイン性や高級感を持たせることができます。

FSC認証紙もあり、環境にも配慮されています。

商品パッケージやギフトボックスに最適です。
また、商品ディスプレイ(店舗什器)やPOPなど
視覚的に訴求したいものにもよく使用されます

 

【製作事例】
一般用 梅干しケース(1kg / 500g)
温泉いちごバターギフト箱

特殊ライナーついて

特殊な段ボール材質には、以下のようなものがあります。

  1. 撥水段ボール水をはじく特殊な加工や素材を使用して、段ボールの表面を水から保護する段ボール。主に屋外での使用や湿気の多い環境での保管に適しています。

  2. 防炎段ボール:火災に対する耐久性を向上させる特殊な薬液や材質を使用して、容易に着火せず、燃え広がらない段ボール。

  3. 静電気防止段ボール:静電気によるダメージを防ぐために、導電性の素材やコーティングを使用した段ボール。電子部品や精密機器の保護に適しています。

  4. 抗菌・抗ウイルス段ボール:食品や医薬品などの衛生管理が重要な製品を保管するための段ボール。特殊な加工や素材を使用して、菌・ウイルスの繁殖を抑制します。

 

これらの特殊な段ボール材質は、
特定の用途や環境に対応するために開発されており、
それぞれの特性や利点を活かしてさまざまな産業分野で使用されています。

しかし、特殊な材質のため大ロット製造となり、通常よりコストも大幅にアップします。

 

ちなみに下記画像は撥水段ボールに水を吹きかけた様子です。

段ボールの中芯について

中芯とは段ボールのなみなみの部分です。

中芯も用途によって変更することが可能です。

重量によって区別するのですが
SCP120g・SCP160g・SCP180g・強化180g・強化200gがあり、
もちろんグラム数が大きい方が方が強度は強くなります。

一般的な段ボールであれば中芯は120g/㎡を使用します。

積載していく荷物に対して中芯強度を上げることが多いです。

強度 中芯グラム数 説明

強い

弱い

強化200g 一般的に使用されない中芯で、ロット数が必要。
強化180g 冷蔵・冷凍用、重量物梱包などで使用される。
SCP180g 一般的にはあまり使用されない。
SCP160g 140サイズや160サイズの段ボールによく使用される。
SCP120g 一般的な中芯。

■SCP芯 =セミケミカルパルプ (100% 古紙から再生) 、セミ芯、普通芯とも呼ばれます。略式表示の場合、120g芯は無表示となります。
■強化芯=SCP芯にでん粉など強化剤が添加されており、SCP芯より強度が強くなります。

 

ちなみに、中芯を強くして表裏ライナーが弱いと表面になみなみが浮き出てしまいます。
印刷があるのであればあまり綺麗に仕上がらないことが多いです。

基本的には中芯を強くするなら表裏ライナーも強くするのがおすすめです。

段ボールの厚み(フルート)について

段ボールの厚みは、中芯の波(フルート)の大きさにより主に7種類に分けられます。

多様なシートを作ることができ、内箱、外箱、緩衝材など幅広い用途に対応することが出来ます。

一般的に、強度が必要な箱はA/FやC/F、W/Fを選定することが多いです。

種類 厚み(mm) 外装 内装 個装
Wフルート(W/F) 8
Aフルート(A/F) 5
Cフルート(C/F) 4
Bフルート(B/F) 3
Eフルート(E/F) 1.5
Fフルート(F/F) 1.1
Gフルート(G/F) 0.9

 

内容物の重量や美粧性、どこに運ぶかなど
様々な点を考慮し段ボールの厚みを選定していきます。

最後に

段ボール箱をオーダーメイドで作ろうとした場合、
内容物がこれだったら段ボールはどの素材にしようか…?
という疑問が出てくると思います。

そんな時はぜひ弊社にご相談していただければと思います。

費用感や内容物重量などから
お客様に最適なご提案ができますので
ご連絡いただければ幸いです。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。