箱の基礎 紙・素材の基礎

ダンボールの折り曲げと強度

呼ばれてないのにジャジャジャジャーン

あなたのたま侍(たとえばA)です

(ハクション大魔王を思い出した方、よく分かってらっしゃいますね😆)

 

急に当ブログの世界観を変えてしまって、関係者の皆さん、すみません・・

 

 

さて、内容は真面目です

 

波々と「折り曲げ」の関係

 

ダンボールの中身って、波々になっているということは誰もが知っていますよね

改めてその構造の認知度って、老若男女、ものすごいパーセンテージだなぁと思います

 

そんなダンボールのメリットは様々な所で表現されているのですが、

今回はそのメリットについてのお話しではございません

その中身の波々と「折り曲げ」の関係についてでございます

 

1枚の板状の紙を1ヵ所折り曲げるだけで、途端に2次元(平面)が3次元(立体)に変化します

X軸とY軸(横と縦)からX軸とY軸とZ軸(横と縦と奥行)ということです

 

 

 

分かりやすく言うと、急に「カタチ」になるのですね

成形できる事はもちろんですが、同時に立体としての強度も出るという

 

そんな画期的な折り曲げという行為ですが、

ダンボールに関して、注意、というかひとつの傾向が存在します

「段目」

 ダンボールには「段目」という方向性があります

 

 

その断面は波々ですが、それを上から見ると線が(一方向に)連続しています

「波が連なって流れている」

そんな感じです

 

実際に我々業界人は

「流れはどっち?」とか「流れの寸法は?」など日常用語として用いています

 

 

この「流れの方向」ですが、これは箱などに成形した時の強度に直結します

 

折筋の付いていないダンボールを折り曲げる時、

明らかに折り曲げやすい方向と折り曲げにくい方向がありますよね

 

これはどういう事かと言うと、

「折れ曲げやすい」ということは弱く

「折り曲げにくい」ということは強いということです

 

例えば、箱を上に積み重ねていくときに、

箱の段目がどの方向にあれば良いのか、もう想像できますよね

 

 

図の右側は波々で作られた柱が無数に立っているイメージです

すなわち上下方向の強度に優れています

 

 

 

普段我々は構造を設計するにあたり、この段目を強く意識します

もちろん完成品の強度が最優先です

 

 

・・この辺で着地したいのですが、

実はここでもう一つの傾向があります

(この投稿、2回に分けた方がいい気がしてきました・・😅😅

ええーい、いってしまえ~🏃🏻‍♂️)

「折筋を付ける方向」

それは「折筋を付ける方向」です

 

手で折るのではなく、機械カットや木型(抜型)を使って量産プレスする場合、

段目に対して90度の向きに折筋を付けると、

狙った箇所がスパっと綺麗に折れてくれます

しかし段目に沿う方向(前述の手で折りやすい方向)に折筋を付けると、

波々の山と谷の影響を受けてしまって、折筋が少しあやふやになってしまうのです

 

 

これはダンボール成形品の構造設計に於いて、非常に悩ましい部分です

狙ったところで折り曲げできる、できないは、

1つの構造物の中にズレが生じたり、強度が取れるところと取れないところができてしまうのです

 

特に緻密な構造物ではダイレクトに影響が出てしまうので、

たまーにですが、展開図全体をダンボールシートに対して45度にして、

段目の影響を全て同じにするというアプローチを施すこともあります

 

 

 

いかがでしょう?

 

ブログ/情報として、適した盛りだくさん具合だったかどうか気になりますが、またどこかで感想をお聞かせください

業界の新人様向け資料としてもご利用いただければ・・

 

 

たま侍(たとえばA)でした~