箱の基礎

段ボールケースの形状について A式/B式/C式/N式など

回は段ボールケースの形状についてです。

段ボールケースは、私たちの生活の中で様々なところで目にします。
商品を運搬したり、陳列保管したりするために欠かせない存在です。

 

しかし、一口に段ボールケースと言っても、様々な形のものがあり、
商品形状や重さ、陳列場所によっても変わってきます。

それぞれの特徴や用途を知って、適切な形状を選ぶことは、
コスト削減商品の魅力アップにもつながります。


どんな種類があるのか基本的な形状をご紹介していきます。

A式段ボール箱(みかん箱)

段ボール箱の形状でミカン箱形状と呼ばれるものは、A式段ボール箱のことを指します。
A式段ボール箱は、最も一般的な段ボール箱の形状であり、
みかん箱以外にも様々な商品に使用されています。

【製作事例】
●撥水A式ダンボール80サイズ(みかん箱)

A式形状(みかん箱)の用途

A式段ボール箱(みかん箱)は、以下の用途によく使用されます。

●食品:果物、野菜、菓子類、パンなど

●家電:テレビ、冷蔵庫、洗濯機など

●医療品: 医薬品、医療機器など

●日用品:洗剤、シャンプー、トイレットペーパーなど

●雑貨:衣類、文房具、おもちゃなど

●引っ越し:家具、家電、衣類など

 

A式段ボールが幅広い用途で使用される理由は、 以下のメリットがあるからです。

A式形状(みかん箱)のメリット

①強度が比較的高い:箱の側面と底面が一体化しており、四隅に柱ができるため、強度が比較的高いです。

②コスパが高い:他の形状と比較して 一気通貫で製造できるためコストパフォーマンスが高いです。

③汎用性が高い:様々なサイズの商品を梱包することができます。

④初期費用が不要:抜型が不要で、印刷無しの場合は初期費用が不要で製造できます。

⑤小ロット製造が可能:他の形状と比較して、比較的小ロットでの製造が可能です。

A式形状(みかん箱)のデメリット

①高級感・デザイン性が劣る:ほとんどの場合、茶色の段ボールになるので、素材でのデザイン性は劣ります。

②組み立てにテープが必要:必ず天面、底面をテープで貼る必要があるため、テープレスにはできない

B式段ボール箱

一般的にB式と呼ばれる形状で、サイドに胴貼り加工があります。
よく、お菓子の箱や薬の箱などに使われています。

特徴は胴の部分が糊付けされ、筒形になっているので 
箱を立ち上げて、蓋や底面を差し込むだけで簡単に組み立てられます。

【製作事例】
●レトルトカレーギフトボックス

 

B式段ボールは底の形状により主に下記3タイプに分別されます。

①キャラメルタイプ
②地獄底タイプ
③底ワンタッチタイプ

①キャラメルタイプ

下の写真は蓋と底が同じ差し込み形状になっているものです。
キャラメル式と呼ばれています。

側面が糊貼りされており、箱の天面と底面のフラップを差込んで封をする形式です。

②地獄底タイプ

下の写真は組み立てて底を形成する箱で、地獄底と呼ばれています。
地獄底はアメリカンロックとも呼ばれています。

少し見えにくいかもしれないですが
底を組んで抜けないような仕様になっています。

③底ワンタッチタイプ

下の写真はワンタッチ底と呼ばれる形状です。

組み立ても箱を開くだけ(ワンタッチ)で自動的に組み上がるので作業効率が良い箱です。
※ワンタッチで箱を立ち上げられるように底面の2ヶ所を糊付けしてあります。

ただ、キャラメル式や地獄底と比較して、
糊付け箇所が増えるため製造コストが高くなるのがデメリットです。

通販での出荷箱などで梱包数が多い場合は、
作業効率を考えてこの形状をオススメします。

 

B式でよく見かける形状は上記の3つです。

B式段ボールの用途

B式段ボール箱は、以下の用途によく使用されます。

●軽量の商品:菓子類、雑貨、衣類など

●ギフト:高級感のある印象を与えるため、ギフト用によく使用されます。

●通販:組み立てが簡単で、省スペースなため、通販用によく使用されます。

●陳列:見栄えが良いので、商品陳列用によく使用されます。

B式段ボールのメリット

①組み立てが簡単:フタと底面を差し込むだけで簡単に組み立てられるため、作業効率が向上します。

②見栄えが良い:フタと底面がフラットなため、高級感のある印象を与えます。

③デザイン性が高い:設計で工夫出来たり、材質や印刷表現でオシャレにできるので、デザイン性が高いです。

④省スペース:組み立て前は平らな形状になるため、保管や運搬時にスペースを節約できます。

⑤汎用性が高い:様々な商品の梱包に使用できます。

B式段ボールのデメリット

①強度が低い:フタと底面が差し込み式のため、他の形式の段ボール箱よりも強度が低いです。

②重たいものには不向き:重たい商品を入れると、底面が抜けてしまう可能性があります。

③高さが低い箱には不向き:高さが低いとサイド貼り時に貼りズレが起きやすく、不良が出やすくなります。

④初期費用が発生する:基本的に製造にあたって初期費用である抜型が必要です。また、印刷する場合は印刷版も必要です。

C式段ボール箱

C式段ボール箱は、蓋・本体分離式とも呼ばれ、
フタと本体が完全に分離している形状の段ボール箱です。

C式段ボール箱は贈答用・ギフト用のパッケージとしてよく使用されます。
高級感を出したい場合はこの形状がオススメです。

また、下記のようにスリーブ形状もあります。

組立て作業が身箱のみになるので、組み立ての作業効率がアップします。
身箱が抜け落ちないようにテープ留めかシュリンク包装が必要になります。

【製作事例】
●イチジク用出荷箱
●調味料ギフト用ケース
●アクリルアートギフト箱 大・小
●マット用化粧箱

C式形状の用途

C式段ボール箱は、以下の用途によく使用されます。

●高級商品:化粧品、お酒、家電製品など

●ギフト :高級感があるため、ギフト用によく使用されます。

●精密機械:強度が高いので、精密機械などの梱包用によく使用されます。

●深型商品:靴やブーツなどの深型商品を梱包するのに適しています。

●衣類  :フタを完全に開けることができるため、衣類を梱包するのに適しています。

C式形状のメリット

①高級感がある:フタと本体が完全に分離しているため、高級感のある印象を与えます。フタに箔押しをするとより一層高級感を演出できます。

②デザイン性が高い:設計で工夫出来たり、材質や印刷表現でオシャレにできるので、デザイン性が高いです。

③底抜けしない:底面も一枚になるので、A式やB式のように底抜けする心配もなくフラットにものを入れることができる

④強度がある:フタと本体がそれぞれ独立しているため、強度が高いです。高級商品や精密機械などの梱包によく使用されています。

⑤陳列性に優れている: フタを完全に開けることができるため、商品を取り出しやすく、陳列性に優れています。

C式形状のデメリット

①組み立てがやや複雑:フタと本体をそれぞれ組み立てる必要があるため、組み立てがやや複雑です。

②コストが高い:寸法によっては他の形状の段ボール箱よりもコストが高くなります。

③在庫スペースを取る:身・フタで資材が2倍になるので、他の形式の段ボール箱よりも在庫スペースをとります。

④高さが高い箱には不向き:高さが高いと展開面積が大きくなり、単価が高くなります。

⑤初期費用が発生する:基本的に製造にあたって初期費用である抜型が必要です。また、印刷する場合は印刷版も必要です。

N式段ボール箱

N式段ボール箱は簡易式段ボール箱とも呼ばれ1枚の紙を折りたたんで箱状に形成するため、糊付けが不要です。

C式とは違いフタと底面が一体化しており、比較的組み立てが簡単です。

【製作事例】
●採血管輸送箱(メール便対応ケース)
●スープギフト箱&パウチ用封筒化粧箱

N式形状の用途

N式段ボール箱は、以下の用途によく使用されます。

●軽くて壊れにくい商品:衣類、雑貨、菓子類など

●コストを抑えたい商品:廉価版の商品など

●メール便で発送する商品:軽量でコンパクトなため、メール便や定形外郵便で発送する商品によく使用されます。

●引越しの際の小物:衣類や雑貨など、引越しの際の小物を入れるのに適しています。

N式形状のメリット

①組み立てが簡単:糊付けが不要で、折りたたむだけで簡単に組み立てられるため、作業効率が向上します。

②コストが安い:糊付けが必要ないため、製造コストが安く、安価で販売することができます。コストを抑えたい商品や、大量に使用する場面などに適しています。

③省スペース:組み立て前は平らな形状になるため、保管や運搬時にスペースを節約できます。

④デザイン性が高い:設計で工夫出来たり、材質や印刷表現でオシャレにできるので、デザイン性が高いです。

N式形状のデメリット

①強度が低い:1枚の紙でできているため、他の形式の段ボール箱よりも強度が低いです。

高さが高い箱には不向き:高さが高いと展開面積が大きくなり、単価が高くなります。また、製造最大寸法を超えると製造不可になります。

②初期費用が発生する:基本的に製造にあたって初期費用である抜型が必要です。また、印刷する場合は印刷版も必要です。

まとめ

段ボール箱の形状を選ぶ際には、
商品の重量、形状、用途、コストなどを考慮する必要があります。

また、ご紹介した通り、段ボール箱には様々な形状があるため、
商品に合った形状を選ぶことが重要です。

箱の形状は、商品の魅力をアップさせる重要な要素です。
商品の特徴や用途に合った箱の形状を選ぶことで、
商品の価値を高めることができます。

 

とはいえ、中々ご自身で形状を決めるのは難しいことだと思います。
そんなときは是非、弊社へお問い合わせいただますと幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。