箱の基礎

パッケージ(化粧箱/紙箱)の表面加工の種類と特徴、メリット、注意点、コスト比較を徹底解説

品を包み、手に取る瞬間の印象を決めるパッケージ。
印刷デザインはもちろん、質感や光沢も重要な要素です。

そこで今回は、化粧箱・紙箱に欠かせない「表面加工」の種類と
それぞれの特徴、メリット、注意点、コスト比較を解説いたします。

光沢で魅せる!化粧箱・紙箱の光沢系表面加工

化粧箱(紙箱)における光沢系の表面加工で代表的なものは下記が挙げられます。

・グロスニス
・ビニール引き
・プレスコート
・グロスPP

以下、順番に解説していきます。

グロスニス

一般的に使われる表面加工で、印刷表面に光沢を与え、印刷効果を高めます。

インキ皮膜を保護し耐摩擦性を高め、色落ちしにくくします。インラインで行うため、低コスト、短納期が可能です。

注意点としては指紋や傷が目立ちやすく、他の表面加工よりも摩擦に弱くなります。

画像では分かりにくいですが、下記パッケージがグロスニス加工になります。

【製作事例ページ】
・どて焼き(レトルト)用パッケージ

・プリン用パッケージ箱

ビニール引き

塩化ビニール系合成樹脂と速乾性ニスを混ぜた液を印刷表面に施し、熱乾燥させ、光沢および耐摩擦性をアップさせます。

パッケージの表面加工によく使用され、耐磨性が高く光沢感もOPニスに比べて高いのが特徴です。

溶剤は油性、水性がありますが最近は環境問題もあり水性を使用しています。

印刷が乾きにくい用紙などのインキ止め・菓子箱の水分、油分等の浸透を防ぐ効果があります。また、トランプの滑りを良くするために使われることがあります。

 

プレスコート

プレスコート加工とは、印刷物の表面に熱で固まり光沢を出す熱硬化樹脂を印刷表面に塗って一度乾燥させたあと、熱を伴ったローラーでプレスすることで表面に鏡面のような光沢を出す加工です。

パッケージの表面加工の中では最も強い光沢を出すことができます。その反面、耐摩擦性や耐水性は他の表面加工に劣りますので、パッケージの使用条件や輸送条件によってお勧めできない場合もあります。

 

グロスニスやビニール引きと比較して加工コストが高く、凹凸のあるデザインには不向きです。

グロスPP

化粧箱・紙箱の表面にポリプロピレンフィルムやPETフィルムを貼ります。高価な商品のパッケージによく使用されており、印刷表面に優れた光沢と耐摩擦性を持たせることができます。高級感を演出する最も効果的な表面加工です。

グロス系の表面加工の中では一番コストが高くなります。また、濃色印刷にグロスPPを施すと、指紋や傷が目立ちやすくなります。

 

【製作事例ページ】
・高級スイーツ詰め合わせ用3段ギフト箱
・Brillante Orangerie(化粧品用化粧箱)

上品な質感で包む!化粧箱・紙箱のマット系加工

代表的なマット系の表面加工は下記が挙げられます。

・マットニス
・マットビニール
・マットPP 

以下、順番に解説していきます。

マットニス

グロスニスとは対照的で、印刷表面の光沢を抑え、落ち着いた雰囲気を出したいときに使用します。

グロスニスに比べると耐摩擦性に少し劣ります。

マット系の表面加工では一番コストが安くなります。

 

【製作事例ページ】
・カップケーキ用パッケージ箱

マットビニール

ビニール引きと同様、マット系の合成樹脂を使用します。原理はビニール引きと同じ作業でです。

マットと聞くとシックな落ち着いたイメージと勘違いされますが、加工後の仕上がりはビニール引きのように光沢感は全くありません。むしろ、加工したのか分からないほどです。ビニール引きのようにツヤを求めず、インキ止め・水分・油分防止のために使用される加工方法です。

コストはマットニスよりも高価で、マットPPよりも安価です。

マットPP

化粧箱(紙箱)の表面に艶消し効果のあるマット調のポリプロピレンフィルムやPETフィルムを貼ることで、
マットニスやマットビニールよりも落ち着きのある深いマット感を表現し、高級な仕上がりにすることができます。

また、耐水性・耐久性はアップします。

マット系の表面加工の中では一番加工コストが高くなります。

【製作事例ページ】
・ゴールデンエッグパッケージ
・フォアグラ缶詰用ギフトボックス

特別感を演出!特殊加工

上記の表面加工以外にも、「箔押し加工」や「エンボス加工」というものがあります。

下記に製作事例を交えて詳しく解説いたします。

箔押し加工

箔押しとは金色・銀色などに代表される箔(ホイル)をプレス機を使って熱と圧力で紙に転写する特殊印刷です。
パッケージの高級感・特別感を引き出す加工として選ばれます。

箔押し自体はダンボールや板紙・貼箱・透明PETなどの様々な素材に加工が可能です。

箔色は【金色(ツヤあり/ツヤなし)・銀色(ツヤあり/ツヤなし)・白・黒】が多く選ばれますが、
他にもさまざまな色の種類がございます。

注意点としては加工コストが高く、細かい箔押し表現は難しくなります。

【関連ブログ】
ダンボールの印刷方法:箔押しの特徴と製作事例をご紹介

【製作事例ページ】
・贈答用茶葉500g化粧箱
・クラフトビール 持ち手付きケース

エンボス加工

模様を彫刻した凸版と凹版のロールの間に紙を通し、圧を加え模様を付ける加工です。

代表的な模様には布目、絹目、梨地、ストライプ等があります。エンボス加工を施すことで、従来のパッケージにちょっとした変化を付けることができ、高級感や特別感を演出できます。視覚・触覚に訴える効果があり、オススメの表面加工の一つです。

注意点としては、加工コストが高く、細かいデザインには不向きです。

【製作事例ページ】
・バレンタイン オリジナルスイーツ箱

化粧箱・紙箱の表面加工のまとめ

ここまで化粧箱・紙箱における代表的な表面加工を解説しましたが、
下記に上記の内容をまとめたものが下記になります。

化粧箱・紙箱の表面加工 選び方のポイント

上記の内容を踏まえて、化粧箱・紙箱の表面加工は下記ポイントを押さえて選択するといいでしょう。

①光沢感、質感、機能性などを比較検討する
②商品イメージやターゲット層に合った加工を選ぶ
③コストとデザイン性を天秤にかける

しかしながら、自分で最適な表面加工を選ぶのに悩まれる方も多いかと思います。

そんな時は、ぜひ弊社へお問い合わせいただければと思います。

表面加工のこと以外にも、パッケージ製作についてのお悩みを解決させていただきます。

商品イメージと受け取るお客様にぴったりのパッケージを作りましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。